失業手当の受給中に、アルバイトをして働くことは可能です。
アルバイトができる条件を知って求職活動をしましょう。
・定職の収入が無くなったので、お金の不安を解消する。
・社会とのつながりを持ちたいので働く。
失業手当の受給中のアルバイトについて整理します。
このブログは、37年間大手機械メーカーに勤め、60歳定年退職を迎えた筆者“ししとう”が、当事者の目線でお伝えします。
失業手当の受給を受けながら、アルバイトをした時の申告方法について
ハローワークでの申請の仕方
失業手当受給中、アルバイトをした場合、1日分の失業手当が、以下の判定を受けます。
▮月に一度のハローワーク訪問日に、必ずアルバイトをした日を申告します。
・支給停止
・支給の先送り
・全額支給
・減額
・支給無
▮1日のアルバイトをした時間で振分けて申告します。
・1日働いた時間・・4時間未満の場合は、✕
・1日働いた時間・・4時間以上の場合は、〇
失業認定申告書に、アルバイトした日に「〇」、「✕」記入して申告します。
「〇」、「✕」記入の感覚が、なんとなく違和感がありますが、
そのようなものだと自分に理解させて記入しましょう。
用紙余白上部に「アルバイトした店 や 会社名」「日付」「時間」がわかるように書いておく。
「収入のあった日」「収入額」「何日分の収入か」を記入する。
失業手当が支給停止になるアルバイトの働き方
▮アルバイトで、失業手当が停止になる条件
・週20時間以上働く
・雇用期間が31日以上
これは、雇用保険の加入要件と同じで、会社に就職した条件になります。
週20時間以上で働くと「再就職した」と見なされる可能性があるからです。
失業手当の支給そのものが停止してしまいます。
アルバイトは、「週20時間未満」までと決めて注意しましょう。
失業手当が先延ばしになる条件
▮アルバイトした日の失業手当が、先延ばしになる条件
・1日4時間以上働いた時
1日4時間以上働いた場合は、
収入の大小に関係なく、失業手当は最後の支給日に先延ばしになります。
給付日数の後ろに倒れるだけで、支給総額に変わりはありません。
失業手当が減額される条件
・1日4時間未満のアルバイトをした時
失業手当の減額計算の審査を受け、全額支給、減額支給、支給無の3つのいずれかに判定されます。
心配としては、アルバイトした日の失業手当が減額されてしまうかです。
条件をあらかじめ知っていれば、アルバイトの選定や働く時間をコントロールできます。
▮計算式の考え方
まず、雇用保険受給資格者証に記載されている、賃金日額と基本手当日額を確認します。
事前に確認する数字
・基本手当日額 ・・自分の金額
・前職の賃金日額・・自分の金額
・控除額・・・・・・1310円 2022年8月時
・A式 A = 基本日額 + 収入(1日の収入 - 控除額 1310円)
・B式 B = 前職の賃金日額 × 0.8
▮判定の基準
・全額支給 A式 ≦ B式
・減額支給 A式 > B式
減額金額 = A式 - B式
・支給無 ※前職賃金日額の約8割になったら支給無!
収入(1日の収入 - 控除額 1310円) > B式
定年退職前の方は、失業手当のブログを確認してみてください。
60歳定年退職者の数字で試算
▮ししとうの数字で計算
・基本手当日額 6103円
・前職の賃金日額 13562円
・控除額 1310円 2022年8月時
▮アルバイト収入例
・時給 1500円
・1日 3時間 (4時間ピッタリは先送りになるため)
・1日の収入 4500円 = 1500円 × 3時間
▮計算結果の例
A式 = 基本日額 + 収入(1日の収入-控除)
A式 = 6103円 + (4500円 - 1310円)
= 9293円
B式 = 前職の賃金日額 × 0.8
B式 = 13562円 × 0.8
= 10850円
▮判定式
全額支給 A式 ≦ B式
減額支給 A式 > B式
支給無 ※前職賃金日額の約8割になったら支給無!
1日あたりのアルバイト収入控除後>B式
▮判定
全額支給 A式 ≦ B式
9293円 ≦ 10850円
結果、時給1500円のアルバイトを3時間したとき、失業手当は減額されないことがわかりました。
■「定年退職後は、可能であれば再就職したいけど、一旦お休みしたい」とお考えであれば・・
貴方に寄り添う『退職コンシェルジュ』に相談もひとつの選択肢です!60歳定年退職者の場合、1日3時間程度のアルバイトは現実的
60歳定年退職者の“ししとう”がアルバイトをした場合、時給額の限界値を試算してみました。
・1日、3時間のアルバイトとした時、時給2000円までは減額されない
・時給4050円以上で3時間のバイトをしないと支給無にならない
60歳定年退職者の場合は、“ししとう”の計算例を見ると、
一般的な時給、単発アルバイトを、3時間と決めれば、
失業手当が減額されないと予測できました。
現役世代の転職年代より、一般的に60歳到達時の賃金が高いと思われるので、
3時間(4時間未満)のバイトをした場合の減額条件に、当てはまらない幅が広いです。
さらに、上の棒グラフを見てわかるように、60歳以上の基本手当日額が、
低く設定されているため、減額される可能性はさらに少なくなっています。
自分の時給のボーダーラインを知っていれば、失業手当を受けながら、
安心して、1日、3時間程度の短期バイトをすることができます。
60歳定年退職者の先送りの条件、1年以内の縛り
失業手当の受給が先送りになる4時間以上のアルバイトを、
限界までした場合、1年間の給付期限内に収まるか検討しました。
以下の条件を踏まえてアルバイトの先送りの検討してみました。
・失業手当を貰えるのは、退職日の翌日から1年間です。
・60歳定年退職者の失業手当受給期間は150日(5か月)です。
1週間に4日以内のアルバイトまでとします。
但し、週20時間未満までです。
月に直すと16日間まで、アルバイトが許容できる範囲になります。
その残り14日間が、1月あたりの失業手当の受給日です。
アルバイトを順に先送りにして説明したのが下の図です。
アルバイト日が、16日×10回 = 160日
失業手当給付日、14日×10回 +残10日 = 150日
160日 + 150日 = 310日
1年間 365日 > 310日
給付期間残り=1年間365日-310日
=55日
≒1.8ヶ月
定年退職した日から、すぐに、
ハローワークへ行き求職申込手続きを始めれば、先送りの日程は確保できます。
それ以降の場合は、1年間の期限を超えてしまう可能性があるので日程の管理は注意が必要です。
退職後は、速やかに、ハローワークへ行き、求職申込をしたほうが良さそうです。
アルバイト先選択の注意点
アルバイトをするのであれば、組織がしっかりした企業の中から探すほうが良いと思います。
ハローワークに申告する際に、勤務時間と報酬を報告するので
管理がしっかりしている企業のアルバイトを選ぶようにすると困りません。
ハローワークでは、アルバイト申告の証拠の確認を求められるためです。
個人店や小規模企業でのアルバイトは、経費や勤怠のシステム化が進んでいないなど、
必要な情報がすぐに出力できないことがあります。
アルバイト実績を必要なタイミングで提示できなければ、
ハローワークでの申告確認も負担が大きくなります。
あと、もうひとつの注意点として、
アルバイト先企業が、先々の予定を決めてしまう
固定シフト制のアルバイトは、好ましくありません。
なぜなら、月1回のハローワーク認定日と重なる可能性があるためです。
失業認定日は、変更不可です。必ず決められた日に、訪問しなければなりません。
失業手当受給中のアルバイトは、
自分の予定に合わせ、コントロールできる、単日のアルバイトを選択するようにしましょう。
アルバイトの管理がしっかりしている企業を選ぶもう一つの理由
小規模企業や個人店などは、予定外のアルバイトをお願いされるリスクがあります。
・ちょっと今忙しいから、この後、1時間追加で、仕事を・・とお願いされる。
・急に、〇〇さんが、休んだから、代わりに今日、出でくれないかと頼まれる。
このような要望を受けてしまうと、
ハローワーク申告の為に計画していた、日数や時間を超えてしまいます。
断わりにくい状況で、仕事を受けたことで、
意図せず、アルバイト規制のラインを超えてしまうリスクがあります。
結果、支給が減額や停止になるかもしれません。
また、これらの申告を忘れてしまうと、虚偽申告を疑われることになります。
嘘申告の状況は、第三者から目撃される可能性が高く、ハローワークへの通報リスクが高まります。
もし嘘の申告と判定されると、3倍返しの罰則になるとのことです。
まとめ
失業手当受給中のアルバイトは、
事前に自分のボーダーラインを知って計画を立てれば、お勧めできる行動です。
▮減少した収入の補填をしたい
定年退職後、減ってしまった収入をすぐに確保したいのであれば、
1日4時間以上のアルバイトを、週20時間未満で行うと良いです。
求職活動とアルバイトのバランスを考えたスケジュールで計画をし、
ハローワークでは、アルバイトの申告を、しっかりしましょう。
退職後、できるだけハローワークへ求職申込をすれば、
アルバイトした日の先送り日程も含め、1年の期間内におさめる事ができます。
▮次の企業で仕事をする為の助走期間
アルバイトをしていたおかげで新しい職場に早く馴染むことができます。
特に、1つの企業で長年働いていると、新しい職場の雰囲気やルールに戸惑うことがあります。
アルバイトの経験は、次の定職企業の仕事をする上で、助走期間として大切な経験になります。
▮社会や地域と適度な接点を持ちたい
社会、地域との接点を持ちながら自分のペースで働きたいと考えるなら、
1日3時間程度のアルバイトを計画すると良いです。
自分の労働を提供することで、社会や地域などに役立つ事を実感でき、価値ある時間を過ごせます。
勤務時間も短かければ、負担を感じることが少なくてすみます。
多少なりとも報酬がいただけるのであれば、さらに嬉しい事です。
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