2023年3月で60歳の定年退職を迎えます。
この会社に残って働くか、区切りをつけて会社を離れるか。
選択をしなければならなくなりました。
会社に残る場合は、賃金の下落や処遇が気になります。
このブログは、60歳定年退職を迎えた筆者“ししとう”が、
当事者の目線を織り交ぜてお伝えします。
定年対象者向けの継続雇用制度の説明会がありました
2022年9月末、各自の席で、PCオンラインの説明会を受けました。
昨年までの制度内容に比べて大幅に、改定がありました。
その時の内容をこのブログでご案内します。
継続雇用制度の改定の背景
60歳以降も継続雇用される社員を、以下の説明で、シニア社員と呼びます。
年齢構成は50代中がボリュームゾーンとなっている一方、
40代前後の世代の人数が少ない現状です。
シニア社員の知識やノウハウを受け止める主力世代の社員が急速に減っていきます。
今後、年齢構成のアンバランス、社員の能力スキル低下が、
会社の業績にマイナスの影響を与えるということが、経営陣の危機意識として現れたと思われます。
昨年までは、利益の確保、経費削減を重視し、それが人件費抑制につながり、
60歳定年以降の継続雇用に関しては消極的でした。
2023年4月度より、
定年後も、自分のスキルと経験を活かし働き続けたいと希望するシニア社員が、
継続して働ける環境へと整備されるようになりました。
継続雇用制度の原則
働く意欲があり、業務遂行可能な健康状態の人に、65歳まで仕事を提供できるようになります。
去年までは、会社に残り働きたいと希望する人が、65歳まで働けると明言していませんでした。
60歳定年後の再雇用者は、グループの関連会社と期間を定めた労働契約を締結することとなります。
(原則1年単位の契約更新)
雇用期間の変更
▮昨年度まで
・63歳まで フルタイム勤務可能
・63歳~65歳まで、パートタイム勤務のみ
・1年単位の更新
▮新制度
・60歳定年~65歳までフルタイム勤務可能
・1年単位の更新
結果、63歳までの勤務から65歳までの勤務が可能になりました。
シニア職務ランクの新設と賃金制度の見直し
豊富な経験を活かし、「新しい仕事の創出」 や 「次世代の育成」 に、取り組める社員として、
報酬水準を新たに設けるようになりました。
シニア職務ランクは、「当年度の貢献度」と「翌年度の職務と役割」から、
契約更新の度に再度格付け判定を受けるようになります。
昨年度 2ランク 2基本給 ~20万円
新制度 4ランク 8基本給 ※万円、22万、25万~、40万~
“ししとうの”職務ランクと基本給の提示
この説明会の後、
令和4年12月に、会社から、継続雇用を選択した際の、職務ランクとの基本給の提示がありました。
・職務ランクは・・・2
・基本給は・・・・220,000円
上記のような会社から提示を受けました。
もし前年の制度であれば、ランクは・・1、基本給は、十万円台後半であったと思いました。
だいぶ待遇は、改善されたと感じました。
但し、60歳到達時の給与からの下落率は、54%になりました。
高年齢雇用継続基本給付金の制度を適用
高年齢雇用継続基本給付金を、会社が手続きし、
最大、毎月の基本給の15%が、ハローワークより、本人口座へ給付されます。
現シニア社員の処遇改正
2022年3月31日以前に定年を迎えた現シニア社員の方も、
2023年4月1日以降の契約更新で新制度が適用されるようになります。
(2023年4月1日付年齢 61歳~64歳)
継続雇用制度の説明会を受けての感想
会社は、昨年まで、雇用継続に対して消極的でしたが、
方針を明確にしてシニアの経験と能力を生かすと言いはじめました。
・65歳まで働くことができるライフプランの提示
・一律賃金から貢献度に応じた賃金制度へ変更
・賃金の下落を、高年齢雇用継続基本給付金で補填
60歳定年後の生き方、働き方の選択肢として、
雇用継続は、安定した生活を確保する選択肢として選ぶことが出来ると思いました。
昨年までの継続雇用制度の評価
継続雇用をした社員の不満は賃金制度に集中していました。
上記で説明したように、賃金体系は低額の2種(低い、さらに低い)でした。
この報酬制度の評判は、厳しいものがありました。
特に、役職のある社員は、賃金下落率が大きいです。
再雇用の初年度は、住民税の請求額に驚き、手取りが少なくなります。
また、フルタイム勤務が、63歳まででした。
特に65歳からの年金受給にシフトした今では、2年間の空白期間が出来てしまいます。
これが、人生設計の不安要素になります。
別会社への就職を選択をした人の中に、ほんとうは、会社に残って仕事を希望していた人が、
一定数いたのではと思います。
実務をこなし、頼りになる他部署の先輩社員が
60歳で退職していたことに後で気づいたことがあります。
また、依頼メールが届かなくて分かったこともありました。
この説明会のあとしばらくして上司面談が始まりました。
毎年、年末の時期になると暗い表情だった定年対象者の方々を思い出します。
今回からは、穏やかな気持ちで、継続雇用の選択ができるようになり、
会社に残る人が増えると思います。
まとめ
60歳定年退職者を対象に、来年度、会社の雇用継続に対する説明がありました。
主には、継続雇用の賃金増額の改定と高年齢雇用継続基本給付金の情報です。
以下のリストがまとめた内容です。
・会社の年代別構成のアンバランス化による組織力弱体化の危機を是正
・経験豊かなシニア社員の知識ノウハウを後輩社員の指導育成につなげる
・賃金体系を低額2基本給から4種8基本給に拡充し賃金の増額へ改訂する
・再雇用後の収入減分を補う高年齢雇用継続基本給付金の手続きを会社が行う
昨年度に比べ、60歳定年退職者の継続雇用を充実させていく方向になります。
説明会のあとも昨年までの状況と比べて、雰囲気が変わったと感じました。
現役社員も、これからの自分の未来が見えて、安心して働き続けることができる将来像を描けます。
今後、働きやすい職場になることに期待しています。
コメント