60歳定年後に、同じ職場で働く事を選ぶ人は多くなりました。
仕事内容を理解しているので、戸惑いなく働けることをメリットと感じる人が多いと思います。
欠点をあげれば、定年前と比べて、大幅に賃金が下落する事です。
高年齢雇用継続基本給付金の制度を利用することで、目減りした賃金の一部を補填できます。
ここでは、高年齢雇用継続基本給付金は、いくらもらえて、いつまで続くのか説明します。
継続雇用時の賃金が、60歳時の賃金より、75%を下回った場合、
月額賃金の最大15%まで、支給される制度です。
但し給付を受けたとしても、定年前との月額賃金の差を埋めることは難しいです。
今までと同じライフスタイルでの出費は難しいでしょう。
生活をダウンサイジングすることも必要です。
このブログは、37年間大手機械メーカーに勤め、60歳定年退職を迎えた筆者“ししとう”が、当事者の目線でお伝えします。
高年齢雇用継続基本給付金の支給額を試算する
対象者・・・・60歳定年退職後、失業手当の受給を受けず、
同じ職場で継続して働いている
手続き方法・・会社がハローワークに申請手続きをおこないます。
支給方法・・・毎月分を2か月毎に支給、ハローワークより
自分の口座に直接振込まれる
支給期間・・・60歳になった月から65歳になる月まで支給
▼ “ししとう”の例で試算してみます。
60歳到達時の賃金・・・406,860円 (賞与一時金除く6か月間の平均賃金)
継続雇用の想定賃金・・18万から2万円毎のテーブル
(2022年12月に22万と提示された)
月額賃金・・・・・会社が用意している継続雇用の賃金テーブル。
賃金低下率・・・・60歳時賃金実績と継続雇用の賃金との比率
低下率61%未満・・支給率は一律 15%
低下率61%~75%・・支給率は漸次減少する
給付額・・・・・・月額賃金×支給率(※)
合算額・・・・・・会社からの賃金と給付金を合わせた額
継続雇用時の賃金の違いにより、支給される額が変わります。
多くの方の賃金の低下率は、6割以下と考えれば、15%の支給率が多いと思います。
・今までの賃金の減少が6割以下であれば、15%支給される
・賃金の減少率は75%で、支給が無くなる。
・36万円以上の賃金には、支給が無い。
この給付金は、支給率を月額賃金に乗じて支給額を計算します。
この給付金の対象者は、下落率6割以下の人が多いと考えられるので、
支給される金額は、2万から3万円台までになりそうです。
低下した金額の全てを、補填するものではないことが注意点です。
最初にこの制度を聞いた時には、
60歳到達時の賃金15%と思い込み、ずいぶんと手厚い施策と勘違いしていました。
実際は、下落した賃金の15%の支給ですから、世の中そんな甘いことはないですね。
計算の根拠とした資料
“ししとう”は、令和4年9月末に、会社より高年齢雇用継続基本給付金の手続きを
進めるとのことで通知がありました。(六十歳到達時等賃金証明書・初回登録手続きについて)
60歳定年時に、会社に残り継続雇用するか、退職するのか、
意思決定する前に、人事部から連絡を受けました。
高年齢雇用継続基本給付金を、
次年度以降の、継続雇用制度の給与補填策のひとつとして、準備していたと思います。
必要書類に捺印し、会社がハローワークへの手続きを代行しました。
会社経由で、ハローワークから、受給資格確認通知書と受給資格のしおりを、受け取りました。
支給金額をもとめる計算方法の記載があったので、今回の内容をおしらせできるようになりました。
雇用継続前後の賃金推移グラフで見える事
雇用継続前後の賃金推移を、グラフにしてイメージができるようにしました。
実際の継続雇用の賃金は、人それぞれの違いがありますが、
補填される金額は2万円から3万円台の範囲になることが、計算のロジックで見えてきました。
20万円台の賃金で、2万~3万の上乗せがあることで、
普通の生活費のラインでは、貴重な支援策であると感じます。
ただ、このグラフが表す、定年後から始まる、崖のような段差イメージは、
継続雇用を選択した人、共通のものになります。
この崖の高低差は、月額約10万円超の差です。
10万円以上、賃金が減るとなると、今までと同じ金銭感覚の消費では家計を圧迫します。
意識するしないにかかわらず、生活のスタイルを、変更していくことになります。
定年から、賃金は下がりますが、その時を境に、体力や行動力が低下するわけではありません。
しかしお金を使える範囲が、行動の自由の範囲になるのも現実です。
賃金が減るのに、同じペースで働く必要があるのか考えどころです。
・収入の低下を受け入れて、ライフスタイルをミニマムサイズへ変えていく。
・働き方は、給与に見合った仕事にすると心の中で割り切る
仕事の負荷を考えて、ムリせず働く心構えが、精神衛生上望ましいと思います。
何か自分のプラスになる活動ができるように、スキマを作る選択もあると思います。
副業を始めて小さく稼ぐということも考えてみたらどうですか。
継続雇用の良さとは
勝手知った会社で働き続けることには、安定と安心感があります。
退職して、新しい環境に飛び込むことの変化を考えると、
職場を理解したり、新たな対人関係を築くことなく、今までと変わらず、仕事ができるメリットがあります。
また、少ないとはいえ、今回説明した高年齢雇用継続基本給付金は、家計を助ける貴重な支援策です。
生活にメリハリをつけて、ダウンサイズしていけば、
全ての質を落とさずとも生活できると思います。
まとめ
今回、高年齢雇用継続基本給付金の内容を紹介して、どれぐらいの給付になるか見ていきました。
継続雇用の賃金は、人それぞれの違いがありますが、
給付される金額は2万円から3万円台の範囲になることが、算出の仕組みで見えてきました。
給付を受け取ったとしても、月額約10万円超の差になりそうです。
10万円以上、賃金が減るとなると、今までと同じ金銭感覚の消費では家計を圧迫します。
60歳まで、働いていた賃金との差が、埋め切れないと判断して
生き方、働き方を考えていく必要があると思います。
収入の落差を受け入れて、生活を見直し、ダウンサイジングして変えていく。
同じ職場で継続して働くので、ある程度のコントロールを考える。
仕事の力のかけ方を意識して働き、こころと時間の余裕を持てば、
他の選択肢を考えることができるようになります。
コメント