「60歳からはやりたい放題」を読んで、参考になった内容を元に
“ししとう”に置き換えて理解したものを、紹介します。
著者は35年間、高齢者専門の総合病院に勤務して、
6000人以上の患者と向き合ってきました。
長年、高齢者医療に携わる著者の視点からの、
60代からの生き方提言は、生命の維持と寿命を延ばす事に、
つながる内容で新鮮でした。
60代からは、「やりたい放題」に生きる事こそが、
若さを保ち、頭の回転を鈍らせず、人生を楽しく生きる秘訣を力説します。
このブログは、37年間大手機械メーカーに勤め、60歳定年退職を迎えた筆者“ししとう”が、当事者の目線でお伝えします。
高齢者医療専門家からみた老後の生き方視点
昔の御年配と今のシニア
「サザエさん」の磯野浪平が54歳であることの衝撃。
同じ歳では、織田裕二さんや天海祐希さんになります。
ここ数十年の生活様式や日常の環境変化が、
日本人のアンチエイジング効果をもたらしています。
見た目が昔より若返る一方で、心は、昔と変わらず老化現象があります。
誰もが、今でも心の病気にかかりやすいです。
60代は、老いの入口
60代は、老いの入り口、高齢者の新人です。
若いうちに知識を蓄えておくことで、将来の恐れは、低減できます。
「心」、「体」、「環境」が変化する60代が、
第二の人生を楽しむターニングポイントです。
60代になれば、心身の変化が起きるのは当たり前と、
知っておくだけで、冷静に対処できます。
60代は社会的に失うものが多い時期
老化を遅らせる対処法は、
体と社会的地位の変化が出る60代から始めることが望ましい。
60代は、喪失体験が多い時期です。
多くの人は、60歳、65歳で定年を迎え、会社の居場所を失います。
60代は、嘱託社員になり、50代までと働く環境は変化します。
60代は、子供が成長し親元を離れ、喪失体験があります。
さらに、80代、90代になった親の面倒や、介護負担も出てきます。
変化に対する正しい対応策を知ることで、
不安を解消し自分の人生を楽しむことが出来ます。
老後を楽しく生きるための医学的な指針
60代以降は、体も脳も使わなければ、萎えてしまいます。
使い続けた人とそうでない人との差は広がります。
身体能力を使い続けることが大切です。
体力を示す指標に、最大酸素摂取量があります。
呼吸で取り入れた酸素が、
炭水化物や脂肪を燃焼させ、エネルギーにする能力を表します。
この数値は、20代から80代にかけて減っていきます。
しかし、毎日トレーニングを続ければ20~30代と同じレベルに保つことが出来ます。
また、免疫力がある人は、病気やストレスに強く、より健康に生きられます。
免疫機能を高めるには、我慢せず好きな事をして、思いっきり人生を楽しむことです。
個人の身体能力と脳機能の活用度で、健康格差が広がっていきます。
人生を楽しく生きる事を、60代以降の生き方の指針にするべきです。
60代以降の鉄則は、嫌な事はやらない。
これからの人生の歩み方に、大きく左右する要因です。
高齢者の体が求める食べ物の意味深さ
人間は生物進化の過程で体に良いものは、おいしく感じるように進化しています。
食べたいものは、体が欲しているものです。
甘いものに含まれるブドウ糖が無くなれば、
脳は働かなくなり、人間の生命活動は止まります。
脂肪は、体を動かすエネルギーとして欠かせない細胞膜の生成や、修復に使われます。
タンパク質は、アミノ酸に分解され、細胞の原料になります。
今日は肉が食べたい、今日は甘いものが食べたいと感じるのは、
体がその栄養素を欲しているからです。
高齢者は、粗食である方が、健康に生きられるは、うそです。
低カロリー、低栄養、低脂肪の食事は、早く老ける弊害になります。
著者自身、老人ホームなどで多くの高齢者を見てきて、
皆さん、食を楽しみにしています。
食べることは、人生における大きな楽しみです。
60代からは体と頭を使う小さな新しい事から始めよう
新しい体験で前頭葉を活発にすることが出来ます。
新しい体験が増えるほど前頭葉に刺激を与えます。
太陽の光を浴びる、頑張らない散歩の習慣を持ちましょう。
散歩の道は、時々ルートを変えて、新しい道で気分を変えると良いです。
スポーツも、やりすぎない程度に、好きな運動をしましょう。
若作りが老化にストップをかけます。
普段、全くおしゃれをしてこなかった男性が、
理髪店ではなく、美容室でカットして、服のコーディネートをするなど、
ファッションに関心を持つことも良いです。
容姿の老化防止は、心の若さにも好影響します。
テレビ番組のコメンテーターの意見に、ツッコミを入れるのも良いでしょう。
60歳以降は、前頭葉を活発化させ、
毎日、小さく新しい事で、少しづつ変化をさせていきましょう。
60代の定年退職後、新しい仕事にチャレンジする
興味のある仕事であれば、働く事は、頭と体を使うので若さを保つことになります。
60代は起業できる最後の年代、前頭葉を活発に動かせる時期です。
今は、若者中心のサービスばかり特化していて、高齢者の事を考えたサービスが少ないです。
これが欲しい、これがあったらよいと思うものを、ビジネスの形にするシニア起業家が望まれます。
健康診断の数値指標は高齢者には不適
医学的な観点、高齢者におけるダイエット
60代以降のダイエットは、決して健康に直結しません。
統計データを見ると、BMI-25.0を超えた人の方が、長生きする研究結果が出ています。
60代以降は、小太りのほうが、長生きします。
一方、平均余命が短かったのは、BMI-18.5未満の人です。
中高年は、若いころに比べて、代謝が落ちて、脂肪がつくのは、当たり前で自然なことです。
むしろ長生きする確率が上がります。
無理なダイエットをせず、小太り程度が、肌ツヤもよく活動的になります。
一方、痩せた人は、シワが目立ち少しやつれた印象を受けます。
60代の人がダイエットをするようになったのは、
メタボを避けろと2008年から、特定健康調査や保健指導がスタートしてからです。
肉を食べすぎてはいけないに、だまされてはいけません。
しっかり肉を食べると、幸せホルモンのセロトニンを増やすことができます。
高齢になると気力の落ち込み、意欲の低下が進む傾向にあり、
タンパク質不足が原因と考えられています。
タンパク質を摂ることでセロトニンを増やすことが出来ます。
セロトニンが正常に分泌されると、
意欲が高まり、不安が弱まる前向きな日々を、過ごせるようになります。
60歳以降に、食が細くなるので、
セロトニンを増やすために、肉を食べるのは理にかなっています。
医学的な観点、高齢者におけるコレステロール
コレステロール値が高いと心筋梗塞など、虚血性心疾患の発症は増えます。
心筋梗塞は、ステンドやバルーンで冠動脈を広げたり、
バイヤス手術など技術が大幅に進歩し、死ななくて良い病気になっています。
欧米諸国は、心疾患は多いですが、ガンは少ない傾向にあります。
コレステロールが多いと、ガンになりにくい調査結果が出ています。
日本人は、ガン死亡が高いので、
肉食による適度なコレステロール値で、ガンを防ぐメリットがあります。
また、うつ病の人には、コレステロール値が低い人が多いです。
実際に、たくさんの高齢のうつ病患者を診断して、
コレステロール値が高い人の方が、うつの回復が早かったです
医学的な観点、高齢者における血糖値
血糖値が高くなると、糖尿病になる可能性があります。
年齢を重ねての低血糖は、脳にブドウ糖が届きにくく、
意識の混濁や、言葉が出なく、認知症のような症状が出ます。
著者のような高齢専門の精神科医の間では、糖尿病の人の方が、ボケにくいという定説があります。
医学的な観点、高齢者における血圧
血圧を下げる為には、塩分を取らないようにするという健康の定説が広まっています。
塩分の中には、ナトリウムが含まれます。
ナトリウム不足は、意識障害の原因になります。
特に高齢者で運転する人は、塩分不足は注意です。
歳を重ねると腎臓のナトリウム貯蔵力が落ちてしまいます。
塩分をあまり摂っていなくても、必要な量のナトリウムを排出してしまいます。
年齢を重ねたら、血圧が高いほうが、
必要な量のナトリウムが回るので、頭がすっきりします。
一般成人と同じ健康指標は60代以上には当てはまらない
加齢により、若い時より糖分や塩分を欲するようになります。
血圧や血糖値が多少高い方が、高齢の体にはよく機能します。
摂生するほうが、悪影響が出ます。
60代以降は、一般的な病気を発症する因子を、無くそうとする行動が、体と心にストレスを与えます。
むしろ歳を重ねた人は、好きな物を食べ、好きな事をする方が、楽しく長生きができます。
高齢者にとっての健康診断の価値はあるのか
近年、健康寿命が伸び、
日本の多くの高年齢者が良好な状態と思われるので、絶対評価で決めるべきですが、
今の健康診断は、正常の数値を、相対評価で決めています。
平均と考えられる数値を中央値としています。
異常値をプラスマイナス5%の標準偏差で決めており、数値が、健康状態と関連していません。
健康診断の数値が正しいのか証明する証拠はありません。
健康診断を受ける価値が無いです。
受ける価値があるのは、心臓ドックと脳ドック
心筋梗塞や、くも膜下出血といった、
突然死につながる恐れのある病気を、発見するのに、健康診断は役立ちます。
老いへの不安、認知症とうつ病への対処法
60代は感情の硬直化に注意
60代以降、感情の制御を自覚し注意します。
年配社員が、若手からのアイディアを頭ごなしに否定するのは、
新しい考えに対する柔軟性の欠如からきています。
60代ぐらいから、急に怒り出す人が増えるのは、
前頭葉の萎縮によって感情を抑制できなくなるからです。
怒りのコントロールが悪くなるのは、前頭葉の老化が始まる時期です。
前頭葉の衰え
・感情のコントロール
・意欲、創造性の低下
・新しい事への柔軟性がなくなる
性格が怒りっぽくなったり、柔軟性や適応力が失われたりする事実を知っておく。
そのために気分が落ちこむ必要はありません。
前頭葉は、加齢によって縮むにしても、
60代からの生活習慣を見直すだけで機能の低下を防げます。
老いに対する不安
前期高齢者と呼ばれる65歳前後から、多くの人の不安は「老い」に対するものです。
老いに対してどう付き合えるか「心の老い支度」をするだけで、気持ちを楽にできます。
不安に感じていることが、実際に起きてしまった時の具体策を、きちんと考えておくことです。
年齢とともに、心を安定させる「セロトニン」という神経伝達物質が減少します。
セロトニンは、タンパク質を摂ることで、増やすことができます。
また、「もう高齢だから」と様々なチャレンジをやめると、
感情の動きが無くなり、脳は老化し、老けこみ、うつ病になります。
65歳を超えると、うつ病になる割合は、3%から、5%に増えます。
20人に1人がうつ病です。
老いとは、対処法次第で変わっていくものです。
老いの対処に対する常識を疑うこと
日本人は、まだ起きていない未来について、不安を抱え持つ、世界で稀有な民族です。
歳を取ればとるほど、食事や嗜好品、お金を抑制して、
老後に備えなければならないと考え、そのような行動をとってしまいます。
現代に流布する予防医学やダイエットなどで、
我慢を強いる抑制型の健康法は、老化を早めてしまうというのが著者の持論です。
痩せなければと我慢をしすぎるより、
少し余裕をもって、好きな物を楽しむ方が人生を長生きできます。
将来の不安に備える考えに、真っ向から反対です。
■定年を間近に控えているのに、メンタル面の症状(不安、疲れ、不眠等)や病気・怪我で、働く事ができない方へ・・
認知症に対する誤解
認知症 イコール かわいそう、と考えるのは間違いです。
日本人が抱える老後不安の最大の物の1つは認知症です。
認知症は、何もできなくなる悲惨な存在と、必要以上に、怖い物と勘違いしています。
初期の認知症は全く怖くありません。
過剰に怖がり、人生を悲観するのは、非常にもったいないです。
日本の認知症患者の6割を占めるのが、アルツハイマー型認知症です。
ついさっき、何を食べたか、今日誰に会ったか、
など短期記憶に支障が出ますが、知的能力は、残り続けます。
最初の5年ぐらいは、ほとんど人格は変わらず、知能もあまり落ちません。
発症前と、大して変わらない生活を送る人の方が、実際は多いです。
認知症で浮き彫りになる個性
認知症では、個性が浮き彫りになります。
何か物を置き忘れた事があった欠落症状の場合、その人の人格反応が強く出るのが認知症です。
自分に厳しい性格の人が物忘れした時、
何でこんな失敗をしてしまうのだと落ちこんでしまう。
他人に厳しい人であれば、
人が盗んだのではないかと誰かを責める。
性格が温和な人であれば、
物が無くなってもさほど気にしません。
認知症は罹ったら終わりではなく、
自分の個性が、より強調される症状が起きると、覚えておいてください。
認知症の進行を遅らせる対応
日ごろ頭を使わない人が、認知症になりやすいです。
会話を増やせば、認知症予防になります。
認知症の進行を止めるには、
他人との会話
声を出す
歌を歌う、カラオケ、合唱、詩吟など
自分がやっていて楽しい事、他者からの反応をもらえる事をしましょう。
認知症より深刻なうつ病
認知症と間違われやすいのは、老人性うつです。
認知症より、気を付けなくてはなりません。
心の病(うつ)と病気(認知症)との切り分けが難しいです。
70代でうつ病になりやすい理由は、同じ境遇の方々や周囲との差です。
自分と違って、人生を謳歌するシニアを、羨ましい思う一方で、
親しい友人の死の知らせなど、感情を伴って心に染み渡る出来事などです。
但し、うつは、適切な診察を受けて薬を飲めば、良くなる心の病です。
高齢者の抗うつ剤投与は、
記憶力が回復したり、寝つきが良くなり、やる気が出たり、効果が表れる人が多いです。
介護制度活用の重要性
日本は、欧米に比べて自分の親が要介護になると、
施設に入れようとせず、在宅介護で、一生懸命に介護しようとします。
施設介護 イコール 悪 という考え方を捨てましょう。
子供に介護は期待しない、ましてや、子供の介護離職は絶対に止めるべしです。
プロの介護士であれば、起きる事が無い、身内だからこその介護虐待もよく聞く話です。
介護保険の利用をためらう必要はありません。
老後に突入して体を壊してしまい、動けなくなった場合、ぜひ活用してほしいのが介護保険です。
介護保険は、申請しなければ、いかに重度の認知症になったとしても、1円も保険はおりません。
介護保険は、認知症以外に、
足腰が弱ってきたなら、自宅に手すりを設置するなど、補助金を申請できます。
現状の医療体制の課題と接し方
高齢者向け医療のミスマッチ
日本には長生きの専門家がいません。
医師でありながらこんなことを言うのはおかしな話ですが、
医者の言うことを聞いても長生きできません。
高齢者には有名な大学病院はふさわしくありません。
大学病院は専門分化が激しく、専門外の病気や臓器に及ぶ影響について、
複合的に考えられる人は、非常に少ないです。
また、日本全体を見渡しても医療機関は各臓器の専門家の集まりで、
高齢者の症状を広く研究している人はいません。
自分の専門外の知識を持ち合わせていないということです。
心臓の専門家の言い分を聞けば、心臓自体はよくなっても、
他の臓器や身体機能に影響が出て体を壊してしまう事例があります。
医者の平均寿命は、一般人より低いと言われています。
医者の言うことを鵜吞みにしても長生きできない証明です。
医学界の闇
患者よりメンツを優先する日本の医学界。
日本医学界の罪
乳がん治療において、
患者に寄り添った治療法を提唱した、医師を排除したことがありました。
患者本位の乳がん治療が確立したのは、それから15年後です。
それは、当時の日本医界の重鎮が、みな引退したためでした。
しかし、最初に提唱した医師の名誉は回復されることはありませんでした。
死にさえしなければいいという医師。
患者に後遺症が残る、生活上のハンディが出ても、
お構いなしと考える医師。
そんな医の闇があります。
自分に合った医療を見つける為の心得
評判の医者にかかってもあまりよさが感じられない事があります。
評判の情報が、医者目線で、評価している場合は、
経験年数、手術実績、学会での評判が、評価する軸です。
評判の情報が、患者目線で、評価している場合は、
医療を受ける側に寄り添っている、話を聞いてくれて安心させてくれる、
患者視点の評価軸です。
治療後の生活の質を大切にするか、長く寿命を伸ばす方が価値なのか、
自分の希望を、予め決めておく、必要があります。
今の自分が望む医療を受けるには、お金を持っているより、
正しい情報を掴むことができるかに、かかっています。
希望する治療をしてくれる、良い医師や病院を探すには、知りたい情報が表に出ていない現状です。
自分に合った病院や医師を見つける手段の必要性
いち早く登場してほしい「医者ログ」。
「食べログ」のようなサービスが、医療機関にもほしいです。
グーグルマップに、医院の口コミが載っていますが、まだ情報量が十分ではありません。
患者さん目線で、医療機関の評判情報を持っているのは、
ケアマネさんが、その位置に一番近いと言えます。
ケアマネさんと仲良くして、情報収集してみるというのが、今、最善の近道です。
また、各自治体には、地域包括支援センターがあります。
福祉の総合相談窓口のような施設があるので、
そこでの相談を、足掛かりに情報を集めてみるのもひとつです。
60代からの老いへの備え
終の棲家
終の棲家は、60代までに決めておきましょう。
どこで死ぬかを、決めるということです。
終の棲家は、老後は田舎でゆっくりしたいと、
都会の人が、田舎暮らしを何となく良いイメージを持っています。
土地は安く、広い家に住めるかもしれませんが、
都会と違って、スーパーやコンビニへ歩いて行けず、車を使う必要があります。
田舎であれば、車を運転していることが前提であり、
免許返納を考えるような年齢になった時、そこが一つ懸念になります。
田舎のスローライフは、素晴らしい面がありますが、
近所付き合いも含め、現実的に終の棲家にできるかは、調べた方が良いです。
また、パートナーによっては、
今の住慣れた土地を離れて、別の場所へ行くのを拒むこともあります。
人生の幕の引き方
ピンピンコロリへの疑いのまなざし。
死ぬ直前まで、ピンピンと健康的で、死ぬときは、病気に煩わされず、コロリと亡くなる。
高齢者理想の死に方と言われています。
ところが、ピンピンコロリは、突然死です。
周囲にしてみれば、心の準備なく、最もショックを与える死に方です。
一方、ガンのような病気の場合、
余命が判っているからこそ、自分の身辺を整理する時間もあります。
周囲も、死を受け入れる時間があり、理想の死とも言えます。
ガンは治療さえしなければ、死ぬ1~2か月前まで、ほとんど症状がありません。
苦痛を感じる期間が、短いのです。
ガンを、治そうとするから、体と精神に負担がかかります。
見方を変えれば、実は、ガンは、治療しなければ理想的な死に方になります。
人生の質を重視するか、寿命を重視するか、
自分は、どのような死に方をしたいのかは、ある程度考えておいてもよいでしょう。
残りの人生をどこで、どのように楽しく暮らしていけるか、
自分の為に、考えるようにするのが、大切なことです。
老後資産2000万円の虚構
老後資金2000万円不足のウソ。
高齢夫婦年金世帯の平均収入から、平均支出を引くと、
毎月5.5万円、30年間で2000万円不足すると、マスコミに、取り上げられました。
冷静になれば、老後に年金をもらいながら、
年収300万円の仕事を、6~7年続ければ、2000万円を貯える事は可能です。
老後資金2000万円不足しているので、
貯金をしておく必要があると、人々の不安を掻き立てています。
長年会社員として、厚生年金を払ってきた人であれば、特別養護老人ホームに個室に入れます。
万一寝たきりになれば、追加のお金は、おやつ代程度しかかかりません。
有料老人ホームに入るとしても、厚生年金にプラスアルファあれば、支払える範囲と思います。
不安を不安のまま放置せず、自分の人生に、どれぐらい費用が必要か、不足分はいくらなのか、
一度キャシュフロー表で計算して、具体的な対処を考えてみてください。
会社員の定年を迎える60代で、貯金が足らなくとも、
年齢不問で、人を雇い入れてくれる人手不足の職業は存在しています。
著者が詳しい業界、介護職への再就職
60代の定年退職後、体力気力があれば、再就職をして、お金を稼いでも良いと思います。
医療に従事している著者は、自身の業界情報に詳しいです。
介護業界は、慢性的な人材不足です。
介護業界職員になるには、初任者研修130時間の講習を受けて、
修了試験に合格すれば、どなたでも取得できます。
資格さえ持っていれば、雇ってもらうのは、難しいことではありません。
60代で定年退職した方は、介護業界からすると、ありがたい存在です。
まだ体力もあるので、現場の仕事において重宝されます。
介護職は、一定職種で5年間の実務経験があれば、
ケアマネージャーの受験資格を得られます。
ケアマネージャーになれば、デスクワーク中心になるので、
体力が落ちても続けやすい仕事になります。
使いきれない資産を残さない
子供や孫の為にと、財産を貯めすぎては、いけません。
高齢な親の財産は、子供から見ると、自分のお金に見えてしまいます。
遺産相続の高齢化が生む、トラブルを、引き起こしてしまいます。
財産を残すより、自分の為に、お金は、どんどん使ったほうが幸せになれます。
消費で、生活はより豊かになります。
もし、自分の生活が不自由になったら、
生活の質を上げるため、プロの介護士にお金を使いましょう。
お金で、介護士さんを雇う方が、合理的です。
お金を使うほど幸福感は高まり、人生を最高に楽しめます。
■定年を間近に控えているのに、メンタル面の症状(不安、疲れ、不眠等)や病気・怪我で、働く事ができない方へ・・
まとめ
幸せな高齢者で、居続けるために大切なことは、
60代、70代、80代、ずっと健康でいるために、体も脳も使い続ける事です。
自分を、殺して周囲に合わせようとする高齢者が多いようです。
それではますます、遠慮の人生になってしまいます。
日本人は、周りに合わせないと、
共同体にいられないと思い込んで、自分を押し殺してしまっています。
周囲に合わせなくても人は、生きていけます。
他人と比べる価値観を、いち早く捨てて、囚われから解放しましょう。
60代になったら、どんどん自己主張しましょう。
まずは、みんなが仲間であり、他人の為に役立つ人でありたいと思う、
共同体の感覚を持っていれば、自分の意見を主張しても、仲間外れになりません。
今の時代こそ、嫌われることを恐れてはいけません。
自分が自分らしくしている事を、肯定してくれるような場所に、
身を置く事を考え、心置きなく好きな事をしましょう。
とにかく、やってみたかったことをやろう!
失敗を恐れず、人生の実験を繰り返し、
多数の失敗の中から、自分なりの成功を掴んでください。
60代以降こそ、本当にやりたいことを、心置きなく楽しめる最高の機会です。
楽しめる体力や脳があるうちに、楽しむだけ楽しむ
人生は壮大な実験だと思うべし!
今回は、長年、高齢者専門の精神科医として従事してきた、
和田秀樹さんが書いた「60歳からは やりたい放題」を読んで、
参考になったフレーズを元に、“ししとう”の境遇目線で紹介いたしました。
「心」、「体」、「環境」が変化する60代は、
医師の目から見ても、第二の人生を楽しむターニングポイントです。
体の変化に対する正しい知識と対応策を知ることで、
若さを保ち、頭の回転を鈍らせず、人生を楽しく生きる秘訣を力説します。
「もう高齢だから」と様々なチャレンジをやめると、それこそが、老いを加速させる原因です。
60代以降の鉄則は、嫌な事はやらない。
歳を重ねた人こそ、好きな物を食べ、好きな事をする方が、楽しく長生きができます。
高齢者医療に携わる著者の生き方提言は、
生命の維持と寿命を延ばす事につながる、実践的で新鮮な視点でした。
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